地震が引き起こす被害

日本列島と地震
1995年阪神・淡路大震災、2011年東日本大震災、2016年熊本地震、2024年能登半島地震...
日本のここ数十年を見ると、10年〜15年以内に一度のスパンで、全国のどこかで大規模地震が起きています。
100年近く前には1923年に関東大震災があり、地震の発生した9月1日は、現在「防災の日」として知られています。
最近では、近いうちに必ず起きるとされている南海トラフ地震の対策が急がれています。しかし、震災の心配は南海トラフ沖近辺の地域だけ行えばよいのでしょうか。
日本列島周辺にはユーラシアプレート、フィリピン海プレート、北米プレート、太平洋プレートの4つのプレートが存在します。これほど複雑に重なり合う地域は世界的にもめずらしいとされています。
それだけに、日本列島は古来より、プレートのぶつかりが引き起こす大小の地震と共に暮らす国であったと言えます。
日本での暮らしには、震災対策は必須の備えです。
大規模地震がもたらす災害・被害について
大規模な地震はどのような災害や被害を引き起こすでしょうか。一つずつ見ていきましょう。
家屋倒壊
大規模地震と聞いて一番最初にイメージするのは、建物の倒壊と、屋内の家具が散乱する姿ではないでしょうか。
日本で初めて近代都市におきた直下型地震と言われる1995年の阪神・淡路大震災では、最大震度7を記録し、高速道路やビルが倒壊する衝撃的な災害となりました。当時の耐震基準では震度6、7クラスの地震が想定されていなかったため、1階部分の崩れによって2階以降の重みに耐えきれず倒壊する家屋が数多く出ました(全壊・半壊合わせて24万棟以上)。また、震災発生が5時46分という早朝の時間帯のため、多くの方が住宅の倒壊や家具の転倒で下敷きになりました。
この時の経験から、日本では2000年には耐震基準が見直されています。しかし、現在でも旧耐震基準のままの家屋は日本中に数多く存在します。2024年の能登半島地震においても、耐震性の古い木造住宅が数多く倒壊しました。
1999年以前に建てられた古い家屋にお住まいの場合、耐震基準のチェックや、耐震対策がほどこされているか、確認が必要でしょう。
家具の転倒による下敷き・怪我、ガラスの飛散
建物の倒壊に至るほどでなくても、大きな地震では家具や機器の転倒で下敷きになったり、怪我したりする事例は数多く発生しています。
タンス、本棚、食器棚、冷蔵庫は高さがあり、転倒時に下に人がいれば、怪我または死亡につながる被害になりえます。また、家具の上に置いているテレビや電子レンジなどの電子機器は、大きな地震では簡単に床へ落ちます。下へ落ちるだけならまだしも、震源地に近い場所では「電子レンジが横に飛んできた」という例もあります。
他にも台所の包丁や食器棚の食器が降り注ぐように落ちてくるなど、屋内のあらゆるものが凶器となりえます。もし就寝時間に大規模な地震が起きた場合、布団の側にあった家具の転倒で、あっという間に下敷きになることも考えれます。実際、1995年の阪神・淡路大震災ではそのような被害が数多くありました。
突っ張り棒や転倒防止グッズ、ガラスの飛散防止フィルムの他、家具の配置を見直すなど、充分な震災対策が必要となります。
津波、地割れ、液状化現象、土砂災害、火災、噴火
震度6、7クラスの大規模な地震は建物の揺れだけでなく、あらゆる災害を一緒に引き起こします。
震源地が海の場合は地震と同時に津波の発生もあります。2011年東日本大震災は、地震よりもその後に起きた大津波による被害が大きかったことは、記憶に新しいところです。
特に沿岸地域に住んでいる場合、地震対策と津波対策はセットで考える必要があります。
大規模な地震では道路の寸断や液状化現象も引き起こします。
2024年能登半島地震で倒壊した建物は、古い耐震基準であったこと以外に、広い範囲で地面の液状化現象が起きたことが指摘されています。液状化現象は海や川の近くの埋立地で発生しやすいと言われているため、該当する地域に住んでいる場合は注意が必要です。
2016年の熊本地震では、がけ崩れ、地滑り、土石流などの土砂災害の多発による被害拡大もありました。熊本地震が起きた地域は阿蘇山の火山灰によって地盤が形成され、比較的やわらかく崩れやすかったことが指摘されています。火山灰によるものでなくても、住まいの地盤がどの程度の強度があるか調べたり、また、がけの上やふもとに家がある場合は地滑りを意識するなどの注意が必要になります。
大規模な地震ではガスなど引火性のあるものが漏れたり、料理中は油がコンロの火に引火するなど、火災も発生しやすくなります。
さらに、地震によって倒壊した木造住宅に引火したり、瓦礫棟で消防車が通れなくなるなど、火災被害が拡大することもあります。1923年関東大震災では地震発生が昼食時間で火を扱っている家庭が多かったため、大火災も起きました。
また、地震によって停電した電気が復帰する際、ブレーカーが上がったままだと、通電時に家電製品や配線コードから出火する火災が起きることもあります。地震が起きたらブレーカーを落とす、または自動で落ちる機能がついているのはこのためです。
近年、大規模な地震と共に警戒されているのが噴火の発生です。大規模な地震には近くの火山の噴火も数年以内に起きることが多く、ここ最近では南海トラフ地震の発生と共に富士山の噴火も懸念されています。
インフラ破壊による電気、ガス、水道、物流のストップ
大規模な地震と、それに伴う津波や噴火などもあわさって、道路、電気、ガス、水道のインフラ破壊が引き起こされます。同時に物流も止まってしまった場合は、生活に必要な食料などの物資が入手困難になります。
非常食や保存水、非常用トイレの備蓄の他、電気やガスが復旧するまでの間に暖を取ったり灯りを確保できる備えも必要とされています。
いつか起きる、自分にも起きる
日本に住む以上、こうした大規模な災害は他人事ではありません。いつかは必ず起きる、そして自分にも起きる、という心構えが大切です。これまで災害被害にあった方々の悲惨な経験を無駄にしないためにも、今からすぐに、できるところから対策をしてまいりましょう。
地震の被害について参照文献
- 首相官邸:地震では、どのような災害が起こるのか
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/jishin.html - 気象庁:過去の被害地震
https://www.data.jma.go.jp/eqev/data/higai/
- 東京都被害想定ホームページ
https://www.higaisoutei.metro.tokyo.lg.jp/mydmgpred.html